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<ニューロン>

大量記憶術と、エビングハウスの忘却曲線については説明をしましたが、記憶の構造についてはまだ説明してませんでしたので、少し確認してみましょう。

ニューロン
シナプス

これらは、何処かで聞いた事がある言葉ですが、もう分かっている人は、特に読み飛ばしても構わないです。

ニューロンは、複数の神経細胞がシナプスによって結合したモデルで、これが網の目の様にはりめぐされた状態をニューラルネットワークと呼んでいます。

神経細胞は、ある一つの情報の素要素を持っていると考えても良いと思います。

記憶は、情報の素要素を持った神経細胞同士がシナプスによって手を繋ぐ事により情報が関連づけられ、その関連づけが複数の集合体となって1つの情報を、形成します。

簡単に言うと、「赤い」という素要素情報があったとします。また、「球体」という素要素情報があるとします。

そして、その状態で実物の「リンゴ」を見たとき、誰かに「これがリンゴだよ」と言われたとします。
そうすると、「リンゴ」という素要素情報が何処かの神経細胞に格納されたとします。

と同時に、視覚的にとらえた印象から、「赤い」「球体」がイメージされると、「赤い」を持った神経細胞と「球体」を持った神経細胞へ「リンゴ」を持った神経細胞が手を伸ばし、シナプスを作って結合します。

これが、情報の関連づけです。

人間の脳の記憶が、分散型だと言ったのはそういうところから来ます。情報は常に関連づけられた複数の神経細胞がかたまって記憶されるのです。

記憶のメカニズムについては多くの文献がありますが、結構難しい内容が多いので、簡単に理解できそうなのを探してみました。

東京都神経科学総合研究所の説明が一番わかりやすいと思いますので紹介します。

また、シナプシスと神経細胞のつながり方については、以下の図の様になります。


(クリックで拡大)

このモデルは、記憶の第一段階のものです。一時的に記憶している場合を説明しています。

長期的な記憶は、1つのシナプシスが繰り返し発火するか複数のシナプスが同時に発火する様な強い刺激が加わった場合に、細胞膜からカルシウムイオンが放出され、それが引き金となって、最終的に恒久的なシナプスの結合が発生すると説明されています。

(実際にはここの説明はもっと複雑なので、簡単にする為かなり省略しています。興味のあるかたは色々と探してみてください。)

今回、「記憶構造」として説明しましたが、実際には、情報を処理するプロセス(プログラム)等や体の動作と言ったものも、「記憶」と位置づける事が出来るので、体が覚え込む事と考えた方がわかりやすいと思います。

大量記憶術と、この構造を比較して考えるならば、PART1で説明したプロセスが記憶の第一段階(弱いシナプス形成)、PART2で説明したプロセスが記憶の第二段階(強いシナプス形成)と考えられます。

第二段階の場合は繰り返し強い刺激を受ける事によって、恒久的な記憶となります。

(2010/04/25記)
誤記修正(2010/04/25改)
ニューロンネットワークとシナプス模式図をリンクページ化(2010/04/26改)
文書整形(2010/05/22改)