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<第二回:お経を読もう>

ちょっと変わった、嗜好ですが、中にはこういうのもあっても良いのかな、と思いまして書いてみます。

私は、小学生の時にあることを切っ掛けに、私の宗派である曹洞宗のお経を覚える機会が有った。
当時、小学生と言うこともあり、一番覚えやすい短い物で覚えたのですが、今でも中で読むことが出来ます。

「舎利礼文(しゃりらいもん)」と言う題名ですが、原文は以下の通りです。

<原文>
   一心頂礼 万徳円満 釈迦如来
   真身舎利 本地法身 法界塔婆
   我等礼敬 為我現身 入我我入
   佛加持故 我証菩提 以佛神力
   利益衆生 発菩提心 修菩薩行
   同入円寂 平等大智 今将頂礼


どうですか?
四字熟語のオンパレードです。
他の宗派であっても、結構四字熟語表現となっているお経はたくさんあります。
直訳すると、以下の通りだそうです。

<読み下し文>
    一心に、万徳円満の釈迦如来に、頂礼したてまつる。
    (釈迦如来の)真身の舎利、本地の法身[ほっしん]、法界の塔婆を、
    我れ等が礼敬[らいきょう]すれば、我が為に身を現じ、入我我入す。
    仏の加持の故に、我れ菩提を証し、仏の神力[じんりき]を以て、
    衆生[しゅじょう]を利益[りやく]し、菩提心を発さしめ、菩薩の行を修して、
    同じく円寂に入らん。 平等の大智に、今まさに頂礼したてまつる。


細かい、意味については仏教系のサイトに行けば「舎利礼文」をキーワードにすれば沢山出てきますので、興味のある方は、そちらを参照してください。

 私が、何故この教典を持ち出したかというと、お経にもよりますがこれは四字熟語で構成されているからと言う単純な理由です。
 そもそも仏教の始まりはインドから始まっていますが、シルクロードを伝わって中国を経由して日本に伝わったからです。
 古代インドで始まった仏教は、当時の古代インドの言葉で聖典となったがシルクロードを通って中国で当時の中国語に翻訳されることになった。
 それが飛鳥時代に日本へ伝来したと記されている(日本書紀)。
 教典は中国語のまま、日本人が読める様に発音調整され今の読みとなったと考えられます。
 だから、意外にも中国語を学習すると、翻訳文の様な物を読まなくとも、教典をそのまま中国語読みをしても意味を理解することが出来ます。
 これは、私の実感として、ただ暗記した時代から、今中国語を学習して改めて教典を開いた時に、原文がそのまま読めている自分に驚きが有りました。
 これは、中国語文法編第一回で述べた中国語の凝縮した漢字の意味も理解し、中国語の構文をその語順通りに読める力が付いたからに他なりません。

(2010/04/29記)
誤字訂正(2010/04/29追)