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<中国語コラム(特別編)>の部屋へようこそ

<第三回:日本語と中国語のイメージのズレ(文章編)>
ここでは、第一回に続いて、私が中文を作成するに当たり遭遇した各国間のイメージのずれから来る問題点、若しくは、情報を寄せられた方の体験を踏まえ、文章の組み立てにおける注意点を整理していきたいと思います。単語ではなく、どう文章を書くのかと言う点での日本人的感覚と、中国人的感覚の違いになります。
この節は、新たな、情報が入る毎に更新をしていきます。

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<資料が○○からメールで届く>

<資料が○○からメールで届く>

私は、中国の取引先工場とのメールをよくしますが、その時に中国語を使用します。発信先の相手は、日本語の分かる人ですが、あえて出来る限り中国語を使う様にしています。

今回は、その中で起こった出来事について話をします。
まずは、取引の中で、有るインフォメーションを流した事に始まりますが、私が伝えたかった、日本語を紹介します。

(日本語) "ABC"の部品の件で、私は○○会社から資料を受け取りました。

この日本語を以下の様に訳してメールしたわけです。

(中国語) 关于"□□"的零件,我从○○公司收到了一件资料。

実はこの後、相手の中国人が私の中国語を校正してくれて、以下の方が良いという事でした。
(校正後) 关于"□□"的零件,我收到了○○公司一个资料

これを受け取った時、何故この様に校正されるのかが分からず、日本にいる中国人にこの解説を聞いてみました。
その人によると、この校正文でも実は特にあまり重視しない字が一つ含まれているという事で、更に校正され、最終的に、以下の文章に変わりました。
(校正後) 关于"□□"的零件,我收到了○○公司的一个资料

何が違うかというと、"来"は言葉としてあまり使わない。無くても意味が通じると言う事です。但し、有っても問題はない。

日本語での表現のイメージと、中国語での表現のイメージの違いですが、
私達日本人は、目的語である「資料」が何処から送られてきたかを書きたい時「~から」という表現を使います。

解説してくれた中国人によると、実はこの日本語の「~から」に当たる表現をする中国語は存在しないのだそうです。

私は、「~から」を直訳した「从」を使ったわけですが、これは中国人から見ると不自然な文章で、この様な文章は多くの日本人が書く文章に見られると言う事で、これを使うと日本人が書いた文章だという事が直ぐ分かるそうです。

校正された文章では目的語「资料」を修飾する必要があるので、「○○公司的一个资料」となります。
この表現だと、日本人の感覚としては、「○○会社の資料」の訳になってしまい以下の通り。

(校正の日本語訳) "ABC"の部品の件で、私は○○会社資料を受け取りました。
と言う事になってしまいます。

実は、最初の校正の「来」には「よこす、来させる」という意味があります。従って、この校正の訳で日本語を考えると、
(最初の校正の日本語訳) "ABC"の部品の件で、私は○○会社がよこした資料を受け取りました。
となります。

いずれにしても、微妙なニュアンスの違いで、私が意図した日本語とは同じにはならないという事です。但し、最終的な意味で言えば、どれも同じ事を言っています。

今回の事で、私が得た事は、日本語の微妙な感覚表現は、そのまま中国語に置き換える事は出来ない。何処かで妥協点を見つけ、中国人にとって自然な表現と思える文章に作り替える必要がある場合があると言う点である。




資料が○○からメールで届く(2010/07/02記)