<マインドコラム>



バナー



Home>>セルフマインドと対人関係>>第二回:モティベーションについて
第二回:モティベーションについて

「モティベーションを」聞き慣れていない人もいると思いますが、特に企業の場では盛んに使われるようになってきました。今では、一般化した言葉の一つだと思います。

「モティベーション」
は、「動機付け」とか「やる気」と言った話しをする場合に必ず出てくる言葉です。
今回は、このモティベーションについて話してみようと思います。

最近は、よくこの言葉を耳にします。最近の日本人は、何でも英語をカタカナ化して更に頭文字をとって略して用いることが多く、帰って分かりにくくしていると思います。

「モティベーション」を英和辞書で引くと以下のように説明しています。
「motivation」(名)(U)(C)
1.[行動などに対する/・・・する]誘因、刺激;[心理]動機付け
                     <<人間及び動物の行動を喚起・維持・推進・規制する過程>>[for/to do]
2.やる気、興味、衝動
3.<<南ア>>(提案・申請などに対する)説明、証明となる事実・論拠
3.は特殊な事例ですので、特に1.と2.が大枠の意味と考えて良いでしょう。

セルフマインドの観点から言うと、心理面での話しとなるため、
1.動機付け<<人間及び動物の行動を喚起・維持・推進・規制する過程>>[for/to do]
2.やる気、興味、衝動

と理解すればよいと思います。

1.と2.は違う意味ですが、心理学上は、連鎖的な反応になります。
そして、その目指すところは「行動」にあります。
1.にしろ2.にしろ「モティベーション」が起こることで、最終的に何か「行動」を起こすと言うことになります。

また、モティベーションが続けば行動も持続するとも言えます。

当然、モティベーションを失えば行動も止まります

実は、このモティベーションには2種類の考え方があって、それは
外発的モティベーションと内発的モティベーションに分かれます。

辞書の訳と対比させると分かりますが
1.動機付け⇒外発的、内発的
2.やる気⇒内発的

と言えます。1.については他人から促進される外発的部分自ら「動機付け」する内発的部分があります。

まとめると、次のようになります。

<モティベーション>
第一段階:動機付け(内発的、外発的)⇒第2段階:「やる気」をだす⇒第三段階:「行動」に移す⇒第一段階に戻る。
(ループ)

例を示しましょう。
<内発的モティベーション>
内発的モティベーションは主に、自分にとって興味のある事柄についてになります。

例えば、自分が有るミュージシャンの熱狂的なファンだったとしましょう。そして、1年に1度しかないイベントが開催されると知ったとき、「絶対に行きたい」という感情、衝動(辞書の意味2.)に駆られます。

そして「行こう」と決めるわけです(辞書の意味2.)。それで、実際に行くための行動を取り始めます(チケットを予約したり、交通手段を検討したり、費用の確保など)

これが、いわゆる内心で動機付けし、やる気をだして、行動を起こすと言う流れです。
第一段階の動機付けがしっかりしていると、その後の行動は、動機付けへのループと共に持続し、更に色々な活動を持続させます。

<外発的モティベーション>
外発的モティベーションは、他人から自分の興味を引くことを提供されて起こす事柄になります。
または、自ら自分に対してせき立てて、やる気を起こす場合も、この種の事柄になります。

例えば、有る子供が宿題をあまり好きではない状況下で、そのままでいると宿題をしないまま学校に行くかも知れないと言う時、親はどうするだろう。

色々なやり方があるとは思いますが、1例として、もし親が
「この宿題をやり終えたら、チョコレートを買ってあげる。」
と言ったとしましょう。その子に取ってチョコレートは大好物です。

その時にその子供が起こす反応としては、
「宿題=チョコレート」
と関連づけ
られるわけです。

チョコレートを手に入れるためには、宿題をやる必用があると「動機付け」されます。
その結果、その子供は頭にチョコレートをイメージしながら宿題を頑張ってやることになります。

外発的モティベーションでは、外発を連続して起こすことによってモティベートが持続し、行動を続けることになります。

内発的にせよ外発的にせよ、モティベートされると最終的に結果を伴います。つまり「報酬」です。
前の例で行くと、
1.イベントに参加できたことによる快楽感や充実感と言ったもの
2.チョコレートが獲得でき、好物が食べられたという快楽感や充実感といったもの。

物理的なチョコレートと言った報酬を考えがちですが、実際には大切なのはその先、精神的な報酬、すなはち快楽感や充実感、達成感と言った部分が「真の報酬」だと考えます。

スポーツ選手が、オリンピックの為にその目標を挙げ「オリンピックで優勝したい」と動機付けした場合、その動機付けが堅い物であれば、その選手は自分に出来る限りの訓練をします。その一つ一つが苦痛であっても、やります。

そして、実際にオリンピックに出られることになり、試合に出て優勝したとしましょう。
その瞬間、今までの苦労が走馬燈のように押し寄せる自分を感じながら、涙を流し「喜びと達成感」を感じます

この例では、「喜びと達成感」が心的報酬になります。

<対人関係でのモティベーション>
人が誰かに動いて貰う場合、にどうやって行動に移して貰うか、これは仕事面でも、私生活に於いてもよく発生する場面だと思います。

この場合、対象の人に外発的モティベーションを促進させることになります。
何故それをしなければならないのか、それが出来たらどうなるのか、自分に対してどういった対価があるのか。と言ったものです。

内発的および外的モティベーションにおいて、モティベーションを起こすには大きく3種類の手法が有ります。

1.恐怖のモティベーション
 これは、最も一般的に使われるタイプのモティベーションになります。
 「罰」などを伴うやり方で、失敗したときの「恐怖心」を植え付けてやる気に結びつけるやり方。

恐怖のモティベーションの例としては、
 「今日、これをしなかったら、今の小遣い1万円を5千円にする!」と言ってやらせた場合などのになります。

もう一つ、例として、先ほどのチョコレートの話しですが、実は毎日チョコレートを買って貰っていたとしましょう。そこへ「今日これをしなかったら、もうチョコレートは買ってあげない!」と言った場合。

要するに「圧力」をかけて無理にやらせる手段です。

実は、恐怖のモティベーションは一過性で相当の効き目は有りますが、持続性が有りません。この方法を何度も繰り返し使っていると、人間の反応として「習慣化」が発生して、「いつものことだ」という条件付けがされます。そのうちに言うことを効かなくなります。

また、その人を失敗した時の結果を恐れて行動するように条件付けてしまいます。負の条件付けをしてしまうと、その後の場面で、潜在能力を発揮しなくなります。

しかし、この方法をとっている人は家庭であれ職場であれあまりに多いです。
(私も、少なからずこの方法を用いていると思います。)


2.報酬によるモティベーション

 これは、先ほどのチョコレートの例のような場合が言えます。
 人は、欲求に満たされている為、その欲求を満たす条件を約束する事により、やる気にさせる方法です。

しかし、この方法を用いても、恐怖のモティベーションと同様で、一時的な効果は果たすものの、条件に達した時点でモティベーションが失われる為、持続が出来ません。

負の条件付けは無いにしても。一過性のものなので、持続が難しいと思います。


3.心構えによるモティベーション
 これは、前記から説明している物で、自発的に内的やる気を奮い立たせる方法。

 恐怖や報酬によるモティベーションとは違い、人間の潜在能力が無限である事を信じ、そこから動機付けを行いやる気にさせる方法です。

 この方法は、本人の自発性を引き出してやる気にさせる方法で、モティベートが大きければ大きい程、その後は持続的に行動をとる事が出来ます。

 対象となる人の興味などを引き出して、やる気にさせる。


<自己のモティベーション>

自分が何かをかき立てて行動を起こす場合も、内発的、若しくは外発的モティベーションを伴います。
純粋に興味から行動を起こしてしまう場合などが内発的といえます。

また、何かの目標を掲げて動く場合などで、今ひとつ行動にのりが悪いときなどは自分に対して外発的モティベーションを使うことが出来ます。

例えば、「これを達成したら、温泉に行こう」と決めるのである。これは、温泉に行ってリラックスしている自分をイメージすることで「やる気」すなはち内発的モティベーションを誘発させるわけです。

これは、「成功学」ではよくやる方法ですが、「心に描いた夢を鮮明にイメージする」と言った場合に応用されます。

「夢」自体は内発的かも知れませんが、内容によってその思いの強さが違います。

「弱い夢」を描いた場合、やる気のレベルは低くなる傾向にあります。
しかし、「弱い夢」であっても、外発的モティベーションをかければ、「強い夢」に切り替えることが出来ます。

そして、その成功体験は条件付けされ、「更に大きな夢」へと段階を踏んで自己実現へと向かえます。

基本的なモティベーションの種類としては、対人関係でのモティベーションと同じで、対象が自分に向けられるだけです。
1.恐怖のモティベーション
2.報酬によるモティベーション
3.心構えによるモティベーション

特に心構えのモティベーションでは、自らがやる気になる。又は、興味のある事なので最初から「やりたい」という気持ちがわき出てくる。と言った事で、モティベートされます。


ここで、例として私の体験談の1つで大学受験について話しをします。

私は、勉強をするのがどちらかというと苦手で楽がしたい人間でした。しかし、特定の分野「理工系」に関しては、相当な興味を持っていました。

その為、高校受験の際は、某工業高校を選択しました。工業高校は普通校に比べ偏差値が低いので受験面で楽をしたかったと言うのも働いていたと思います。専攻は電子工学科です。

高校に行っている間は、卒業後は就職すると考えていたのですが、いざ進路を決めなくてはいけない時期が来たとき、親から「大学に行くことの重要性」について説得を受けました。つまり「動機付け」です。

当時、色々悩みましたが、その中でひとつの結論を出しました。高校で電子工学を専攻し、色々学んだが、「更にその上の高いレベルの知識を身につけたい」という気持ちが動きました。

これは、「外発的モティベーション」から誘発した「内発的モティベーション」と言うことになります。

しかし、大学に行くと言っても、既に2学期半ばと言うところまで来ていて、工業高校では、普通校と違いカリキュラムが受験用には出来ていないので、国公立は望めません。

その時点で、選択肢は私立大学になります。探した中で、私立の試験科目が何とかなりそうな所と言うことで、数学と英語のみの大学を選びました。

数学については、元々の興味でしかも工学系の高いレベルの学習をしていたので特に問題ないと考えていました。

英語に関しては、当時の工業高校での英語の先生は日本語英語を喋るくらいひどいもので、ひたすら訳し方を説明して終わるような授業でしたので、正直受験はどう見ても、と言う感じでした。

そこで、特に英語に関しては家庭教師を雇い、徹底的に、音読と和訳をする訓練をしました。

一次試験は、残念ながら合格ラインすれすれで落ちる結果となってしまいましたが、その後補欠試験(二次試験)を再度申し込みしました。二次試験まで1ヶ月前の話しです。

このとき、受ける大学の赤本を買い、問題を徹底的に解き込む練習をしました。
「もう後がない」、と言う状態はある種「恐怖のモティベーション」と言えると思います。

しかし、それでも最初の切っ掛け「より高い専門教育を受ける」という「心構えの内発的モティベーション」が有ったので、勉強は持続しました。

二次試験の結果は合格です。このときの苦しい体験から合格した事への「喜び」という心的報酬は、私にとって条件付けられ、ひとつのことばが生まれました。

「なせばなる」
これは、座右の銘で説明しています。

この体験を人に話をすると、帰ってくる言葉は大体同じで「良い体験をしているね。」だそうです。


モティベーションについてわかりやすく解説しているサイトがありますので、興味のある方はこちらを参照してください。

-------------------------------------
やる気の百科事典・モティペディア
-------------------------------------

(2010/05/26記)
モティベーションの種類解説を追記と変更(2010/05/27改)