<コラム>



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第二回:縄跳びの二重跳びが出来るまで

今年度に入った頃(4月)のエピソードですが、上の子(3年生)が縄跳びをしています。

2重飛びをチャレンジしているのですが、以前は中々出来ず、それでも少しは出来るようになった頃の話しです。

その様子を見ていると、数回飛んだだけで相当の息切れをしていました。体の動き、跳躍の仕方にむだが有りまして、最初は言葉で説明しましたが思うように改善できません

子供が既にその跳躍方法で2重飛びできたと言う経験がじゃまをして条件付けられているため知らずとその無駄な動きのフォームになるんですね。

そこで、その様子をビデオに撮って本人に見せました。
以下が、その時実際にとった映像です。(このときは縄を持たずに跳躍のみやらせました)

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この映像からも、無駄な動きが多い事、体全身を使っている為に不安定な事、その為1回1回の着地点がかなりぶれている事が分かるでしょう。

そしてその跳躍の何処で無駄が発生しているかを細かく見て分析してお互いで納得させました。

その後、縄を持たずに跳躍練習をやりました。最後にもう一度縄跳びをやりました。

その時は私があまり時間がなかったので、一応数回新しいフォーム(跳躍)で縄跳びできることを確認して終わりました。

 数日してから、本人から報告があって学校で30回飛べるようになった。しかも前より半分も力を使わずに、飛ぶのが凄く楽になった。

残念ながらその時の映像は撮っていませんでしたが、6月に入って、撮影の為に飛んで貰いました。
実は、30回飛べた日以降はあまり飛んでいなかった様で、約一ヶ月強のブランクが間に入っています。

最初は、以前の悪い時のフォームが出てしまいましたが、今回は30回飛べた時の経験がある為、何回かビデオを撮って本人に確認して貰いながら、調子を取り戻させました。

最近撮った映像が以下の通りです。(今回は17回飛べている映像です。)

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最初の映像と比べると、まだ完全ではないが着地点が大分安定しています。
上半身の動きの無駄が減っており、足の跳躍が完全ではないが伸びてきています。

これは、古い条件付けを切り捨てて新しく条件付けし直すと言う例です。

最初の映像は、初めて2重飛びを1回でも出来た時の感触が喜びとなり、「そうやったら飛べる」と条件付けられた為、その飛び方しかできない状態になってしまった。

自我のマインドがその状態で条件付けられた例です。
条件付けという言葉が聞き慣れない方は、セルフマインドのコラム第一回を見てください。

その後、修正すべき点を自らが認識しその部分の条件付けられたフォームを徹底的に繰り返し新しい飛び方を習慣付けすると、後の映像の通り全く違うフォームで連続で飛べるようになった

最初は、一度この楽な飛び方を体感すると、もうしんどい飛び方に戻ることはないだろうと思っていました。
この快感は、本人にとって、新しい条件付けとなり、以降は更に安定した飛び方へと習慣づけられるから。

しかし、実際には1度飛べても定着(習慣化)していなかったら、昔の悪いフォームも出てくると言う事が、分かりました。

但し、1度新しいフォームの経験をしていると、直しも早い。
今回は、自分のいる位置をビジュアルで見せることが大きな転換となりました。

敵を知り、己を知らば、百戦危うからず:孫子の兵法
(私は、この言葉を口癖のように使っています)

この縄跳び体験の例は、特に縄跳びに限定した話ではなく、子供であれ大人であれ、同じ様な事を起こしていると考えます。

大人の場合は、過去の成功体験に縛られてそれ以外の(仕事などの)やり方を変える事が出来ず、結果次のステップでより良い方法への挑戦が出来なくなる場合です。

「一度出来た」体験が次のステップの障害となる。躓いた時、行き詰まった時は、一度止まってみて振り返り、今のやり方が現実的に有効なのかを客観的に見る事も大切だと思います。

子供に対しても同じように、自分自身を見つめさせる事で、次へのステップの扉が開き、より高いレベルへと跳躍できるのです。

「できるようになった!」という子供の体験は自信へと繋がっていきます。



(2010/06/06記)